焼き芋がとても美味しかった。自分がまだ子供の頃は家の前まで焼き芋を売りに来ていた。家族の人数分欲しいと伝えると「おまけで少し多く入れておくね」という言葉が嬉しくて、エレベーターには乗らずに階段を駆けて帰っていた。今日は半額になった残り物の焼き芋を買い物かごに入れた。
何よりもまず、あなたの夜の最もしずかな時刻に、自分自身に尋ねてごらんなさい、私は書かなければならないかと。
『若き詩人への手紙 若き女性への手紙』, 15p,リルケ, 高安国世 訳
自分は何がしたいのかとか、何が作りたいのかとか、そういったことで頭を悩ませていた。そんな中そういえば、この一文を思い出して、手に取ってみた。情報とエンタメが溢れて、静かな時間なんて睡眠中の意識のない間ぐらいの生活を送る私。あふれんばかりのビックウェーブに乗るしかないのか、一歩引いて砂浜で自分の城を作るべきなのか。これからも勝手に城は作るが、波乗りんちゅには憧れる。