アイドルが嫌いになった日

akatuki
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本当になんとな〜く思い出した過去を長くなるのでここに書いてみようなどしている。

特に誰かが得するわけでも損するわけでもない話。そんな話。

昔昔、だいたい私が小学生3~6の頃。女子の間では嵐だとかAKBとか…言ってしまえばイケメンと美少女芸能人が大いに流行ってた。夜8時からのMステとかの歌番組でみんなは新曲やライブを見たり、ドラマとか見てて次の日の小学校でクラスメイトが話してる話題は基本それについてだった。

特にその頃何か熱中してハマってるものがなかったし、クラスメイトの波には乗って安全圏で生きていきたい年だったから私も何かとアイドルとか芸能人が出てる番組とか話題に目を向けようと努力した。

でも限界はあって、周りの子達みたいに話題にできるぐらい知ることは出来なかった。櫻井翔の誕生日とか身長とか知らんし、AKB系の子とか、俳優の人達のことも何一つわからなかった。クラスの子達からすると私はニワカだったし、ミリしらだった。(知ったかぶりは特にしてないけど)

何が原因で話題にそこまでついていけなかったのかは明白だった。その頃から解ってた。

原因は家で定められていた20時から22時までのお勉強タイムだった。20時から22時まで、私はテレビの音が微かに聞こえるリビングの隣にあるキッチンで勉強をすることが決まりだった。誰かと何かを引き換えに約束した訳でもなく、気づいたら出来ていたルールだった。20時から22時は絶対に勉強。しなくてもいいのは年末年始とか特別な休暇の日・行事で帰りが遅い日とかで年に10日も無かったように思う。

そんなルールがあるものだからゴールデンタイムにやってる番組を見るのはほぼ無理だ。Mステもドラマも諦めてたし、録画はまだテレビがカセットみたいなので録画するタイプだったので気軽に出来ないしやり方もわからんかった。

だけども我慢しているという感覚は無かった。そもそもに20時から22時の間のテレビばに何があるのかなんてのを知らないから何かを我慢している感覚が無かった。

ただテレビを見ていけない時間、という感覚のみがあった。

我慢してる感覚がないから悔しさも無かった。だけども小学校で女の子達はそういう話題1色だから着いて行けなくて、たまの放課後に遊びに行っていい日も女の子達によくわからんけど「○○君の誕生日も知らないの!?」と呆れられて、帰る時間でもないのに友達の団地を飛び出したのを覚えている。(なんか団地でた時に友達笑が窓から顔だして「先生に言ったらもう一緒に遊ばない!」って言われたなぁ)

それを言われた時、やっぱり悲しかったし悔しかったし寂しかったからそれから親の決めた勉強タイムを抜け出したりしてMステにどんなアイドルとかが出るとかを新聞で調べて見ていた。

最初は親も「まあ勉強の休憩がてら1曲ぐらい許すか…」ぐらいで見せてくれてたけど、テストの点が悪かったり機嫌が悪いとそれは許されなかった。トイレなどのやむを得ない事以外で勉強タイムから抜け出すことは怒られた。

私はあまり頭の良い方では無かったからお受験塾で優秀じゃないクラスにいたんだけど、やっぱり優秀な成績じゃないからどうにかして受験成功させなきゃって気持ちが親にあったのか小学5~6年は1曲もダメだった。本当に有名な曲やアイドルしかわかんなくなってた。

どうしてもこの子の曲は聴きたいと思って、兄が見ていたMステ視聴タイムに参加してAKBの「フライングゲット」を見ていたんだけど母に見つかってこっぴどく怒られて曲をBGMにギャン泣きしたのを覚えている。

泣きながらシャーペンを握って塾の教材を解いた。勉強タイム終了後に小学生の話題に登るような番組ってあんまりなくて、慰めに見れたのがアニメだった。

その頃から割とアニメとかそういう深夜帯の番組に救われていた。誰の話題にも登らないけど。

最近、ふと中学受験で色々捨てたものは多い気がした。なんで私学に行こうと思ったのかはわかんない。けども大学まで一貫校だったから楽はできた。そこは感謝。

だけどもギャン泣きしながら画面の方を見ず怒った親の顔を見ながら「フライングゲット」を聞いたあの日からアイドルが好きでは無くなった。

それまでなんでか持っていた嵐やAKBとかの下敷きを小学校の友人もどきにあげてキャラクターものでも無いシンプルな下敷きを使っていた。いつの間にかあんまり大勢と関わらなくなった。

FAIRYTAILを見ている子が居たのでその子とは喋ったり、幼稚園からの幼馴染が種運命を私に教えた子だったのでその子とかと喋った。種運命の方は未だに仲がいいので人生ってわからん。

まあそんなこんなでアイドルが嫌になったあの日だった。誰が嫌いとかになった訳じゃなく、なんでテレビが見れないんだろう、話題について行きたいのに、と思いながら画面に背を向けて泣きながら聴いた「フライングゲット」が印象的すぎて見たく無くなったんだなぁ。

中学からは陰キャオタクまっしぐらであまり記憶にないが(消させてくれ)、本当にあの日以来ドラマは全くもって見てないしアイドルは殆どわからん。

お勉強タイムルールは高3まで続いた。その時はもうゴールデンタイムの番組に興味はなかったので苦にならなかった。アニメが見れさえすればいいと思っていた。

そのアニメ成績が悪ければ録画を消されたりしたが。

まあそんなこんながあって今がある訳だし、まあいっか〜と思ってる。

大学になって自由が効くようになって、芸人とかアイドルとか俳優がわかるようきなってきたし良いのだ。VIVANTとかおもろかったし…

ただ何となくあの日の「フライングゲット」を定期的に思い出すのは今でも変わらないんだよなぁ…

(終)