何かを考えたくて、あまり何も考えない日をつくる。今日はそんな日だった。
本を読むことも、ずっとアニメを見ることも良い。でも今日は映画を見たい。そして、最近ずっと見たいなと思っていた映画をやっと見にいくことができた。(ありがとう、3連休)
その映画の名前は「夜明けのすべて」。
原作を書いたのは、瀬尾まいこさん。『そして、バトンは渡された』からファンになり、今回の『夜明けのすべて』も本として買っていた。
でも半分くらい読んだところで、また読もうと思ったまんま月日が経ち、気づいたら、映画がしていた。
だから、予告を見た時から、ずっと心が惹かれていた。この映画を見に行こう。そして、何も考えずに良い日に行こう。
映画の感想というのは、初めて書く。自分自身はネタバレというものが苦手だからできるだけネタバレせずに書きたい。でも、映画の雰囲気が伝わらないのもむずかしいので、もしこれから書くのを見る人は、映画の雰囲気も書いてあるものとして、見てほしいと思う。
映画を通して、僕はずっと「海」にもぐっているようだった。思考の海、なんだかすっと落ちていく感覚。落ち着いていく感覚。
それはbgmのおかげなのか、映画の雰囲気なのか、理由はわからないけど、幾度も僕は海に潜っていた。
そして、海に潜る中で得た気づきがある。そのことを今日は書いていこうと思う。
「会うことと広がること、深めること。」
まずは、人と出会うこと。その一つの良さについて。
人と「出会うこと」の一つの良さは、その人のことを深く知りたいと思う感情と出会えることだと思う。
とてもとても、傲慢な感情でもあるが、その人と出会わなければ、知らなければ、調べようとしなかったことは確かにある。
例えば、僕はある人のことをとても尊敬している。その人は大学の同級生で、今は元気に学校の先生をやっている。
その人は大学であまり話さない。話さないというか、「初めまして」の壁がとても高い。
お昼ご飯を食べる約束をしたと思ったら、気づくとその場からいなくなっている。後から、なぜいなくなったのか理由を聞くとごまかされたが、本人曰く、気まずい時間を過ごしたくないそうだ。
でも、その人は「一人で」海外に行く。
「一人で」バイト代を稼いで、そのお金で「一人旅」に出る。僕は誰かとどこかに行くことがほとんどだったので、一人で行動する彼の姿は僕にとって新鮮で、かっこよく見えた。
そして、その人のことを深く知ってみたいと思う。
その同級生と会わなければ、『人間失格』も読まなかったし、『堕落論』も知らなかった。だから僕にとって彼は、文学との入り口だったようにも思える。
「働く場の可能性。」
次は、働くこと、働く場の可能性についてだ。
今回の映画でもそうだし、昨日行った居酒屋でも感じた。「働く」ということは、自分の役割を見つけることでもある。
その場、その瞬間、そこであなたが行なっていることは、あなたにしかできない。そう思える役割をつくること。それが働く場をつくることでもあると思う。
それは時に、そう思えない瞬間もあるが、1年間くらい働いていると、1回くらい、そう思える瞬間もある。
そして、その瞬間をできるだけ感じられる。そして、その瞬間をできるだけ近くの人と共有し合える。そんな働く場をつくってみたい。
働くことの可能性。もっと掘り下げたい、人と話し合いたいテーマの一つになった。
「もぐる。」
考えたいときは、たぶん受け身になった方がいい時もある。今の僕は、そんな時だったようにも思える。
主体性は大切。自分から何かを起こすことも大切。そしてそれと同じくらい、受け身になる時間も、僕は大切だと思う。
今回僕にとってそれは「映画」だった。「夜明けのすべて」だった。
自分と何かのはざまにもぐる。ふかく、ふかく、もぐって、もぐって、また地上に出てくる時に、ふっと自分にもどってくる。
そしてまた、歩く。歩く。
この感想と一緒に、あなたの感想も聞かせていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。