2024年も既に1ヶ月経過しているが、1年のまとめは人生における "くさび" だと思うので書き残しておく。2023年で印象深い買い物を数点ピックアップしていきたい。
で、DJI Osmo Pocket 3である。YouTuberが散々擦りに擦った後だが素晴らしいものは素晴らしいのだからしょうがない。そもそも2018年発売の初代Osmo Pocketの段階で、手ブレを物理的に補正するジンバルを内蔵した片手持ちできる小型カメラとして既に完成系であった。トヨタイムズのCMやテレビでタレントが手持ちカメラとして使っているのを見かけた方も多いだろう。最新機種であるOsmo Pocket 3は初代・2代目に比べ大きく重くはなったが、とにかく撮影体験がデザインされまくっているんですよ。DJIのデザイナーは化け物だと思う。
まず特徴的な液晶。従来の1.08インチ液晶は「ついてるだけありがたい」レベルだったが2.0インチに大型化・ワイド化して十分使いやすくなった。また画面の回転が本体電源のスイッチになっているのも憎い（さらに電源が入った瞬間から録画スタートする設定にもできる）。この操作感が製品にとっての新たなアイコンにもなっている。
液晶の大型化に伴い、従来の「スマホで有線で接続すると大画面で映像を確認しながら撮影できる」機能はオミットされた。「合体して使う」提案は得てして使いにくさを生むが、本体だけで使えるようにした判断は正しい。ちなみにWi-Fi経由でのスマホとの接続が可能。しかも有線接続の必要がないくらいスムーズである。
そして画質。センサーサイズが1インチになった（初代は1/2.3インチ、2代目は1/1.7インチ）。Vlogカムとして考えたら下手なAPS-Cカメラよりも有用なシーンが多く感じる。ライバルはiPhone15 Proだろうが、総合的な画質と体験を考えればOsmo Pocket 3がいいというレベルまで来てる。
そしてむしろ本体よりも感動したのがクリエイターコンボに付属するDJI Mic2。とにかく使い勝手がいい。振動を使った電源/録音開始のフィードバックも心地いいし、Osmo Pocket 3との接続もスムーズ（設定画面では当然のように接続するためのガイダンスが表示される）。DJI Mic2単体で録音もできるし、最新のファームウェアアップデートで、Osmo Pocket 3のマイクとの同時録音も可能になった。
とにかく細かい使い勝手が徹底している。追加バッテリー兼延長持ち手の役目を果たすバッテリーハンドルには取り付け用の爪を開くボタンが、バッテリーの電源オンボタンも兼ねていることに気がついた時、なんとスマートな実装なのだと驚いた。他にも、1画面内から素早く機能にアクセスできるUI、起動時間の高速化、製品管理と編集・ラーニングを兼ねたアプリ、スムーズな保証登録…。一方で「ケースデカすぎ」「もうちょっとタッチパネルの反応がよければ」など言いたいこともあるけど小さな話です。
Osmo Pocket 3はプロダクト体験/デジタル体験/マーケティングが高いレベルで融合している。これは日本のメーカーは勝てない。この体験をしてショックを受けなかったら嘘だと思う。つかDJIのデザイナーさんは何者なんですか？？？「あっ、私たちはいよいよ周回遅れなんだ」を感じるためにもぜひ手に取ってほしいです。