ある種の熱狂に違和感を持つことが多い。私の防衛本能や直感が働くからだろう。その為、大勢が同じ方向を向き始めた時、彼らに疑いの目を向けてしまう。盲目的・盲嫉的なのも苦手だ。かつての自分が思い出されるからかもしれない。幸か不幸か。渦中から抜けた今、あの頃の私は醜かったと思う。
昔のはなし。彼らが見る先には、自分を大きく見せるのが得意な人間が居た。そのような人間——人をある意味狂わす——に近づいてしまった時、学びはそれなりにあったが、手に残るものは無かった。寧ろ奪われたものが多かったように思う。結局、そいつは自分の優位性を周りに認めさせたいだけの小者にすぎなかった。いや、私含め人間誰しもそういう側面はある。しかし、その小者は人の気持ちを利用した。私ひとりでは無く。その事に罪悪感すら覚えない愚人だった。
過去の記憶が胸の底から迫り上がってきた朝。私を踏み台にし、利用したあいつ。呪う、は冗談だが、一生許しはしない。
これを吐き気とする。