バスケットいっぱいの毛糸玉

あくた
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編み物が好きだ。

元々ものづくりが好きで、コスプレの衣装製作でその欲を満たしていたのだが結婚を機に徐々にその活動も落ち着き、家で気軽にできる新しい趣味として始めてみたのが編み物だった。最初はメリヤス編みのシンプルなマフラーから挑戦して、5年ほど経った今では自分で考えた図案を編み込んだセーターやバッグ、あみぐるみ、ベビー用のセレモニードレス、ドール用のとても小さなアイテムなど様々なものを編めるようになった。我ながらよく成長していると思う。地道に同じ作業を繰り返すのが苦にならないタイプなので、編み物は自分の性格に合っていたのだろう。

手芸屋に行くと、買う予定がなくてもつい毛糸コーナーを見に行ってしまう。そこで推しメーカーの新作・限定毛糸が出ていたりするともうダメだ。今じゃないけど、いつか絶対に使うから!と自分に言い聞かせながら買い物カゴに放り込み、本来買う予定だったものそっちのけでクーポンを使い、毛糸玉でパンパンになったビニール袋を抱えて満たされた気持ちで帰宅することになる。毛糸オタクな所があるのかもしれない。そうして少しずつ買い集めてきたほぼコレクションに近いような毛糸玉と、作品を作った余りの半端な毛糸玉で蓋が閉まらなくなったバスケットを見ながら「今年こそは減らしてみせるからな…。」と呟いている。本当に延々と増えていくので、どうにかして今ある毛糸を先に消化しなくてはいけない。

子供の冬用帽子が欲しかったので、ひとまずニット帽を編むことにした。野呂英作というメーカーの、くれよんという毛糸を使う。職人の手作業で紡がれているので糸の太さが一定でなく、手触りにもクセがあって少し編むのが難しいが、グラデーションが美しく私の大好きな糸だ。今日はゲージを取るところまでで終わってしまったので、明日から本格的に編み始めていく。どんな仕上がりになるのか今から楽しみだ。