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システム思考の世界へ

alesion30
·
公開:2026/8/17

この本は、ソフトウェアエンジニアとして、システムに向き合うための考え方(= システム思考)について述べられている。一般的な技術書のような特定の具体的な技術トピックではなく、どちらかというと自己啓発のジャンルに近いと感じた。かなり抽象的な内容ではあるが、架空の組織"MAGO"の具体事例とともに理解を進めながら読むことができる。

「システム思考は非線形的である」

自分もすごく当てはまるのだが、前提として人は無意識に線形思考へと傾きやすい。やはり、複雑で不確実性のある状態を目の前にすると、ストレスを感じ、自分や組織の経験やルールに縛られた数少ない選択肢の中から、手っ取り早く実現可能で、効果が出そうなものに手を動かしたくなる。やはり経験則やルールに基づいた選択肢は実績があるので、予測をしやすく、魅力的に感じる。

システムについて考える上で、氷山モデルを使うと良い。

氷山モデルに関する図

人々は、目にみえる出来事に反応するが、システムを形作っているのは、見えない奥底のメンタルモデルにある。そして、ソフトウェアシステムがソシオテクニカルなものであることを認識する必要がある。

ソシオテクニカル(Socio-technical)とは、社会システム(人間、組織、制度)と技術システム(IT、機械)を切り離さず、一つの統合されたシステムとして捉えて設計・管理する考え方。技術を単なる効率化の道具とせず、人々の多様なニーズや幸福(Well-being)の実現に活かすアプローチを指す。

私たちの思考、行動、コミュニケーションパターンが、私たちが作るソフトウェアシステムと切り離せないことを意味している。私たちのメンタルモデル同士の関係が、私たちの行動に強く影響を与える。さらに、外部要因、取り巻く世界や文化的な圧力も考慮しなくてはいけない。

メンタルモデルや取り巻く世界は常に変化し続けるので、我々技術者は、常に学び続け、答えを出す方法を自ら導き出し、思考を深め、他者と考えを共有するときに敬意をもち、対症療法をやめパターンを変えることが重要であると述べている。

これまで、使われている技術が古くて扱いづらいからモダンな技術に置き換えようと行動したり、新しく画期的なエコシステムにすぐに飛びついたりしていた。これは目の前のものに反応しているだけである。もちろん反応することが悪いことではないと思うが、自分が反応していることに気づくことが非常に重要だと感じた。自分の考えに対する根拠を集め、納得できるものにし、他者との交流で常にアップデートし続ける意識が、構造を捉え、メンタルモデルを理解する第一歩である。