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悪意の心理学

alesion30
·
公開:2026/9/14

たまたま図書館で見かけた『悪意の心理学』というタイトルにインパクトがあり、読んでみることにした。世の中には、悪口、陰口、皮肉などの悪意に満ち溢れている。そんな言葉がどう生まれ、どのように人を傷つけるのか気になった。

この本では、悪口や嘘、ヘイト・スピーチのような明確な悪意だけではなく、発言者に悪気がなくても受け取り手が悪意に感じてしまう場面についても扱われている。一定の親密度がある関係性であれば許されるようなことでも、初見の人が見れば許されないことは多々ある。自分たちのあいだでは冗談として成立していたとしても、関係性を共有していない人には、ただ誰かを傷つける発言に見えるかもしれない。親密度を見極めつつ、相手の立場に立ったり、少し離れたところから発言を見たりする必要があるのだと思う。

印象に残ったのは、自分の考えが相手にも十分伝わっていると思い込む透明性錯覚や、自分の身の回りでしかこの発言や考えが共有されていないだろうと思い込むマジックミラー錯覚である。こうした錯覚によって、意図せず人を傷つけてしまうことがある。

以前読んだ『メタ思考』では、自分の認知活動や考え方を俯瞰で見て認識することの重要性が語られていた。この本を読んで、メタ思考は大きな意思決定や仕事の進め方だけではなく、日々の何気ない発言にも必要なものだと改めて感じた。自分にとっては当たり前の前提や文脈が、相手にも共有されているとは限らない。

一方で、自分は神経をすり減らしながら話す内容を気にしているので、とっさに言いたいことを話せないことが悩みでもある。反射で話してしまうと、どんなに親密な関係でも、あとから後悔が襲ってくることが多々ある。発言のすべてを慎重に考え尽くそうとするのではなく、自分の発言が相手や周囲からどう見えるかを、必要なときに一歩引いて考える。そのためのメタ思考を、これからも強化していきたい。