日本医療の最高権威・東大病院で社会科見学(手術)を実施

amanda
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不妊治療クリニックから紹介状を入手し、2022年10月に東京大学医学部附属病院へ向かった。初手でまず驚くのが、東大病院の1日の患者数は3000名超がデフォルトであること。それをさばくシステムすごいなと純粋に感動する日々だったので、システムについても記述したい。

初めはセカンドオピニオンにて相談

クリニックの診断だけではなく東大病院のセカンドオピニオンに行った方が良いとアドバイスを受けた為に東大へ初往診。 30分22000円という絶妙なる価格設定。この金額なら払う。6年間の学業+選び抜かれたエリートたちの集まりであれば44,000円/時間は妥当かもしれない。自分は貧乏性なので、25分をすぎた頃からソワソワしはじめ、なんとか30分以内にて終話しようと頑張っていた。小物感あふれる母で申し訳ない…

結論、筋腫が影響して妊娠できないケースである可能性が高いので、手術せずに妊活するよりも妊活中止して手術したほうが確度は上がるかもと後押しされたのでその場で手術することを決めた。時は金なり。人生において即決能力は重要なので、即断即決できるように我が子も育てていきたい。

東大病院のシステムの素晴らしさ

待ち時間が非常に長いというフラストレーションはあるものの、システムとしてはかなり良いなと思っている。特に、採血室が素晴らしい。その他だと順番が来るとブーブーと鳴る呼び出し機もかなり便利だと思った。棟内にいれば食堂にいても呼び出してくれる優れもの。

採血室

下記写真では見えにくいが、採血ブースの後ろに巨大なベルトコンベアがあり、そこに採取した血液をセットすると自動で運ばれていく。そして1時間あれば全ての結果が担当医師のPCに届き、当日に血液検査結果を踏まえた診察が行われる素晴らしいシステムである。ベルトコンベアははたらく細胞の赤血球さんが血管内で酸素を一生懸命運んでいる仕草を彷彿させる。

引用:東大病院サイト

入院生活

東大病院には入院棟Aと入院棟Bがあり、入院棟Bは6年前に造られた非常に新しい建物である。よくある病院の入院フロアは真ん中にナースステーション、お手洗い、シャワー室などが集約されているが、私がいた入院棟Bでは4人共同部屋ごとにお手洗い、洗面所、シャワー室が完備されており混雑知らずだった。毎朝掃除も入るため非常に清潔。

引用:東大病院サイト

コロナの感染拡大防止のため入院フロアからは出られず軟禁状態ではあったものの、フリースペースからは不忍池やスカイツリーが一望でき景色はとても良かったので閉塞感はない。

ただし同フロアの患者の方々の多くが癌などの非常に重い病気で入院されているため、フリースペースで聞こえてくる話題が重かったこともあり行く頻度を落としていた。白血病のステージ4を患っており、帰宅許可が出て帰っても免疫力低下の問題から自分の息子を抱きしめることもできないという話が聞こえてきたときはかなり心が抉られた。

健康は大切。医療には惜しみなくお金をかけて予防していきたい。

手術

自分は非常に好奇心が強く、かつ若干サイコパス味のある性格のため何事に対しても初めての経験は非常に興奮する。死ぬまでにいくつネタの引き出しを作ることができるかが自分の人生においてのお題でもある。

それは自分自身の手術であっても同様だ。入院・手術前の事前準備・当日の執刀行為・アフターケアまでとても興味深く観察ができ非常に有意義な社会科見学となった。

手術部は重厚な扉で区切られており、中には12室のオペ室が整然と並んでいた。オペ室は機材などがまだ出されておらず、がらんとした空間の真ん中に無機質な手術台がある。その手術台に上がり心拍センサーを胸に付けられたときには興奮しすぎて心拍数が100を超えていた。麻酔科医から見たら『ああ、きっと不安なんだろうな…』と勘違いされていたに違いない。単に興奮していただけなのだが。

麻酔科医が麻酔を注入し始める。真上にある眩しいライトが2重、3重、4重に見えてくる。『ダウナー系の麻薬やるとこんな気分なのかな』と、どうでも良い思いを馳せていたら、全てが終わっており4時間半が経過していた。※勿論麻薬はやったことは無い。

医師3名とアシストいただく方含め8名の非常に優秀な頭脳を自分の為だけに4時間半も使ってもらい手術をしていくというのは非常に贅沢なひとときである。

そうして手術は成功し、地獄のリハビリが始まる。

歩くことさえままならない術後

寝たきり状態だと手術部位が癒着してしまうこともあるため、術後翌日からリハビリは開始される。7CMほど下腹部を切開しているので、ほぼ包丁で刺された状態と同様のサイズだ。

術後は足を持ち上げる行為さえ激痛が走る。ドラマや映画で腹を刺された人がドタッ…ドタっ……と歩く描写があるが、あれは完全なる嘘だ。あんな腹に響く歩き方は絶対にできない。できることはできるだけ衝撃をかけないペンギン歩き、またはすり足のみ。この状態でリハビリは開始され、毎日フロアを何周も歩き癒着を防いだ。

ちなみに出産は帝王切開となるため、我が子を取り出すときは2倍以上の15cmを腹切ることになるので、今から戦々恐々としている。しかも手術時と異なり、我が子のケアもあるため2時間おきに起床し授乳しながらのリハビリ生活だ。

自然分娩であっても全治2ヶ月の傷を負っているのと同様のため如何なる分娩方法でも当たり前のようにパートナーのことを考えてほしいが、もしも我が子のパートナーも帝王切開で出産する場合は、パートナーができるだけ自分のリハビリに専念できるよう赤子の授乳以外の育児を全て担当しよう。

出産後の1年間の男性側の対応で、その後の夫婦生活の円満具合は著しく変動すると心得てほしい。

子育てに『参加する』のではない。子育ては『当たり前に一緒に行う』ものである。生まれてくる赤ちゃんはお母さんの子だけでなく、二人の子なので上記認識は当たり前に持ってほしい。この図はよくできてるよね。結婚してから趣味が低迷するの本当によくないけど、いつの時期だって自分の趣味は大切にしたいものだ。

引用:東京都 東京ウィメンズプラザ

@amanda
我が子が20歳になった時、酒を共に飲みながら振り返る為の備忘録 細胞レベルから20歳になるその日まで書き続ける(予定)