これらの写真は、2015年4月にフィルムスキャンをしたらしい。撮り方などなにもわかっていないで、ただカメラとフィルムへの、モノクロームへのあこがれから撮ったというだけ。
フジカV2…父のカメラだ。今から60年ほど前…1964年に発売された。僕がカメラ、写真をいじりだしてまだ10年もたたないというのに、時間、時代というものは、なんとまあ、果てしないものだろうか。
ただ郷愁がある。センチメンタルになる。使いたくなる。何かがある。だから…持ってこさせてもらった。父から受け継ぐとか、そんな格好のついたものではない。なにか惹かれるから…。それが何かを見てみたいから。
僕が進むのはまちがいなく未来という描線なのに、こうして過去と行き来するというのは、本当にものがたりの主人公になってしまったかのようでこそばゆい。