パエリアの海老が余っていたのでパスタにしようと思ってマルシェでほうれん草を買った。リングイーネがあるので少しだけ手をかけて美味しく拵えよう、ということでいくつか動画を見、ヒントをもらう。
海老の殻はそのままパリッと食べるか剥くかで迷ったが、殻で出汁を取る方法を採用。強火でニンニクと共に空炒りし、トマトピューレ…はなかったのでケチャップで代用(甘くしたくなかったしケチャップの独特な味を強めたくなかったので量控えめ)、こちらもしっかりと炒める。鍋肌が飴色になってきたところで酒(こちらも白ワインがなかったため代用)を入れ、焦げも洗うようにしながら殻を潰しつつ煮詰める。濃い海老の香りがしてきたら水を入れてしばらく沸かす。
その間に細かく切ったトマトを熱する。イタリアからやってきたちょっと青くて苦いくらい若いオリーブオイルに、水分を出したいので塩は先に入れる。トマトは多め、一人当たりふたつくらい。スープにしても煮物にしても焦がさず熱するためには水分が必要だけど、なるべく具材からの水分を使う。あらかた煮崩れてきたらフライパンの脇を借りて大蒜を炒める。しっかりペースト状になったら先ほどの海老の殻のスープを加え、牛乳と余っていたチーズを溶かしてひと煮立ち。ここにちょっと魚醤を入れた。動画からもらったヒント。魚介の味が引き立つのだって。ほんとかな。
リングイーネは12分で茹で上がるけど少し早めにあげたい。まだちょっと芯があるかな?の30秒前にほうれん草も加えて、一緒にソースにあける。ソースを温め直すくらいの時間火を入れてパスタにソースを吸わせる。
できあがり。
手をかけただけあって味に丸みと深みがあったけれど、反省点としては、海老の下処理が甘い(生臭くないけど、遠くに生臭さの名残が感じられなくはなかった)、もうちょっと殻スープが十分には煮詰められていてもよかった、トマトは煮込みすぎず酸味を残す方がいい。かな。生クリームを使わずに牛乳にとどめておいて正解だった。チーズが濃かったから。魚醤はほんの少ししか入れなかったから隠し味にもならなかった。またいつか試してみよう。
--
今この具材になにが起こっているのか、今の作業があとでどういう効果を生むのか、を考えながら、感じながら、料理に集中するのは楽しい。でも普段はつい、他にしたいことややるべきことに追われて、出来上がりさえすればいいんじゃろ!という感じで、時には途中で飽きて、ため息や舌打ちをしながら台所に立ってしまう。いけませんね。
年末にお世話になった友人が本当に料理がうまくて、しかもシンプルでじんわり染みるような、品数が多いわけではないのに充分に満ち足りるような食事を作ってくれて、だからちょっと丁寧に作ることをしてみたのでした。いやー、でも、毎日は無理。パスタに1時間もかけてられない。だけど自分の料理にマンネリを感じてもいるから、細かい輪郭修正のために時々こうして勉強してみるのはいいな。