49. 炎

アマヤドリ
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行きづまる、みたいな気持ちになることがこの数年多い。全く違う環境で、違う教育、メンタリティも言葉も社会システムも違う中で、ただでさえ少数派な気がしている自分の考え方が簡単に通らないのは当然だけれど、ならば、と一歩引いてみればさらなる問題に突き当たり、さらに引けば困難はより深くなる、そういう繰り返しをしているうちに早い段階で気持ちが冷めるようになってしまった。

…でもこれはある意味では悪いことでもないのかもしれない。自分を脇においておくことが今までよりも容易になったから。

自分の情熱に他人を関係させないことを選ぶようになった。どんどん閉じていく。でもそれでいいのかもしれない。以前は自分の内側を外に展開させることに費やしてきたけれど、わたしのものをわたしのものとするだけで満ち足りることもできる。私の熱意は時々場違いで、周りを困惑させ、隔ててしまうことも。別の関わり方を覚えるべき時だろう。

一度だけ手相を見てもらったことがある。私の中心は真紅に燃えているそうだ。でも誰のことも焼かないように、それを水で包んでいる。あなたが本気で焼き尽くすことができるのはあなた自身だけだ、と。

それを聞いて私は安心したのだった。