18. 近くの町、周りの森

アマヤドリ
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労働しかしてないけど日記を書こう。

今朝は隣町にマルシェが出るというので行ってみた。小さなマルシェだと聞いていたが着いてみたら実にささやかで、八百屋と肉屋とチーズ屋が出ているのみ。ほんとうに小さいなと笑ったが、でも広場にはパン屋もあり、全然それで事足りるのだった。昔は鍛冶や釘作りなど金属工業で成り立っていたらしい。町を沿う小川からは城壁が見えて、老夫婦が並んで散歩をしたり、羊が草を食んだり、馬が何を考えているのかびくとも動かないのが見えたりする。こんな小さなコミュニティで生きるのもいいのかもしれないと思った。選択肢はないけれど必要最低限のものはあって、散歩をする川も沼も森もある。車で一時間も行けば少し大きな町もあるから、たまには文化にも触れられる。何よりみんなが穏やかで明るい顔つきをしている。

このあたりは大きな森に囲まれている。フランスでも有数の良い樫の採れる場所なのだそう。真っ直ぐ良く育つ。主要な大きな森はいくつもあるが、地域により木の育て方のメソッドが違い、専属のスペシャリストの観察眼と手腕が問われる。ここの森は半分は育ちたいようにさせ半分はコントロールする、そのバランスをうまく偏らせない方法を取っているのだそうだ。ここの樫の木がとりわけ大きく育つのはカルキの少ない水のおかげもあるのだって。確かに水が抜群に美味しい。

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iPhoneのカメラが壊れてるみたいで近眼みたいにしか撮れない。ちょうどメガネを外した私はこんな風に景色が見えているので、みなさんに感覚ごと共有します。ふふふ。