1. しずかに投げ込む、ふたたび

アマヤドリ
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さてさて。

そんなことだろうとは思ったけどここもちょこっと触って放置することになっている。書きたい欲がなければ書かなくてもいいのだけど、書かないと書きたいともだんだん思わなくなってきて、思わないならそれでいいじゃないかとも思うがやっぱり、何かが身のなかにぎしぎしと溜まってくるのだった。

ブログをニュースレター(Substack)の方に移したけれど、やはり受信箱にそれが配達されるとなればある程度の体裁は整えなきゃいけないなという意識も働いてこんな風に書き殴ることができない。だからここは、いちいち書いたよ、というお知らせをしないままに、それこそしずかなインターネットとして、投げ込んではすうーとそれが沈黙に吸い込まれていくような、意識の暗闇に沈んでゆくような、そんなことでいいのかもしれない。

昨日は盛況のうちにSのコンサートが終わってひと安心。公演をオーガナイズする大変さは知っているし予算もないので補佐としてできる限り動いたのだけど、もしかしたら出演者以上に緊張して本番を迎えたかもしれない、なかなかにへとへとだ。でもお客さんがたくさん来てくれて嬉しかった。

公演はいつも赤字になるし(満員御礼でも)身や精神を削られるような思いをするのでもうこれを最後としたい、と毎回思うのだけれどお客さんが来て喜んでくれるとそれもすべて吹き飛んでしまう。単純な生き物ですね、舞台人というのは。

昨日の劇場は何度かお世話になっているところ。ダンスや芝居の上演が多い場所なのだけれどコンサート会場として音がいいから度々使わせてもらっている。

22時までに完全撤収をしないといけないのがかなりきつい(これ、大道具を伴うような芝居はできないよね?)。劇場の昔の姿を知る人によると、ここは深夜過ぎてもアーティストと観客がいつまでもワインをあけながらディスカッションできるような場所だったのだって。パリもご近所に気をつかうようになって、まあそれも大事なことではあるとも思いつつも、何だかつまんない。パリは祝祭みたいな雰囲気がほんとうになくなった。他の大都市と色を分け合って、同じような風景になってゆく。グローバルになるってこういうことだったかな。