27. 読みながら、警戒ふたたび

アマヤドリ
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ここ数年の間に世間で取り上げられている各問題は、時によりただ議題が移り変わっているだけでその根にあるものは同じだ。交わされる多くの議論は表面的なすり替えを起こしているだけ、対処療法にすぎない。私たちが問題の正面に切り込めないのは、私たち自身がそれを引き起こしているものにすっかり頭まで浸っているから。加害の根は私たちが手放せないもののなかにある。自身の問題を直視しなければ根本の解決はなされない。痛みも損失も引き受ける覚悟を持たなければ、形を変えて、場所や対象を変えて、それは起こり続ける。

…と書いてみるとやっぱり全然うまく説明できない。どういう言葉で表現したらいいかも迷うし、どう圧縮したものかも分からない。私自身、何を「同じ」としているのかがぼんやりとしか見えていないのかもしれない。はっきりと掴めていないものは言葉にできないし、要約することなんてもっとできない。

今読んでいる本にはそれが非常に明確に指摘されている。様々な例を取り上げながら、たたみかけるように繰り返し。これを受け取るにはこれを読むしかない、読んでもらうしかないなと思う。自分の認識を疑い、別の見方を開くためには、このくらい何度も示される必要がある。要約する行為自体がそれを損なうのだから、まとめたりすることができなくて良いのかもしれない。

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またカチューシャにノミがいたので薬をつけたよ、と隣人から連絡があった。やっと警戒を解いて家に入れたところだったのに…そういえば何ヶ所か刺されてる。もうあの夏の恐ろしい地獄を味わうのはごめんだ。カチューシャに悲しい顔をされてもしばらくは入れてあげない。