『キティ』という短編集。
収録作ぜんぶ中学生のころに雑誌で読んで、コミックスが出たら買って。
中学のころに増刊で初めて持田あき先生の漫画に出会ったときの衝撃よ……思春期にめちゃくちゃ刺さったんだよ……(のちのブルーリボンもだいすき……)
(ちなみに初めて出会った作品は『さくら恋々きみのこと』だったと思う)
残念ながらこのコミックス『キティ』と、その前に出ている短編集2作は電子書籍化されておらず…
この『キティ』に入っている『ソプラノ』っていうお話が特にとてもとてもすきで。ひさしぶりにまた読みたくなって。
手元にあるものがボロボロすぎて、中古で買い直しちゃった。思ってたよりずっときれいなものが届いてほっこりした。
ソプラノ……家庭教師の先生のことがすきな瑠璃(主人公、中3)だけど、先生には恋人(瑠璃のお姉ちゃん)がいて、3日後ふたりは結婚する。彼を忘れる決意をするけど……というお話。
やっぱり本当にすきだ〜〜このお話
読書ノート(鑑賞ノート)にそれぞれ作品のすきな台詞やモノローグをまとめてみたんだけど、ソプラノここに書いた以外にもすごくすきな場面があって……
それは終盤のところで、なんていうのかな……ここに書いてしまったらもったいないというか、いちばんすきな彼女たちはやっぱり何度でも作品を読んで振り返りたいというか。ラストの瑠璃ちゃんとね、先生がね、本当にいいんだよ……
いやこのノート、振り返るのを楽しむノートなんだけど、それはそうなんだけど。ソプラノは特別というか。そのシーンは書けなかった。
でもねノートに書いたシーンだとね、古賀くん(クラスメイト)の「姉ちゃんより気持ちが弱かろうが浅かろうが、好きは好きだ! このままじゃお前の恋がかわいそうだ」
っていうね、言葉がね。本当にすごいなって(T^T)
「あとちょっとの辛抱、結婚式まで我慢したら全部上手くいく(丸く収まる)」って訴える瑠璃ちゃんの背中を押す古賀くんよ……
というか登場人物全員いいひと。
そうか、どうにもならないってわかってるし、この気持ちを伝えちゃいけないって思うのはもちろんそうなんだけど
(思っちゃうよね、伝えられないよね)
(しかも結果がわかってるの)
でもたとえ結婚式が終わっても(瑠璃ちゃんのなかで丸く収まっても)、瑠璃ちゃんの心が晴れることはなかったよね、伝えられなかったら
大人が読んで瑠璃ちゃんをみて
「まだ中学生だし」
「大人になったら笑って振り返れること」
って思ったりもするかもしれないけれど
中学生にとってその世界が必死に生きてる世界であって
必死に思ってることなんだよって思うのです、わたしは何年たっても
映画の世界のような、大恋愛とかじゃなくてもね、日々の小さいことだったりしても
わたしだって当時学校のことでめちゃくちゃ悩んだりしてたわ(中学までめっちゃおとなしかった……)
ここまで書いて、ソプラノのあとがき(おまけページ)読み返したら ワー!!ってなっちゃいました
そう、当時の自分のことをバカにしたくないですわたしも
そう、15歳は15歳なりに考えてたから…!
何度でも読み返したい作品です。
電子化されてないのでむずかしいかもですが、ほんともっとたくさんのひとに読んでほしい、出会ってほしい。
短編集っていいよね、ひとによって全然「どのお話がすきか」って違うから。