インスタを見てたら、おでんをキャッチしたのが昨日。もう今日の夕飯はおでんにする気満々で仕事をしていた。
近所に真夏でも「おでん」と書かれたのれんのある練り物屋さんがあり、1個単位で売ってくれるのでとっても助かる。ついつい買いすぎて土鍋の蓋が閉まらないのは毎度のこと。
今日は定番の具材に、ひとつだけ初めての具を入れてみた。
牛すじ
関西のおでんでは定番なんでしたっけ?東京のおでんはお肉系が入る事がないのでずっと気になってはいたものの、下処理を考えるとなかなかにハードルが高い。
お店に入ると、下処理されている牛すじが串に刺さってショーケースに並んでいた。どうしよう......このままおでんの出汁で煮て食べられるもんなのか...... しばし店の中で考える。
ここはひとつ、プロに聞いてみるかとお店で私のチョイスした練り物をホイホイとビニール袋に入れていくおばちゃんに聞いてみた。
「牛すじ...... おでんに入れた事なくて。このまま入れて煮とけばいいですか?」
すると私の母より少し歳上であろうその人は、
「えっ!大丈夫じゃない?そこにも入ってるわよ」
と、軒先にあるおでんの鍋を指差した。そこの練り物屋さんではすぐ食べられる煮込んだおでんも売っているので、クタクタになった牛すじをひょいとつまみ上げて「ホラ」と柔らかそうなお肉を見せてくれた。
「大丈夫よ!」ではなく「大丈夫じゃない?」という、なんとも頼りない言葉に引っかかりつつも、モノは試しだと牛すじを2串買ってみた。
鍋の底の方に入れとけばいいわよ!とも言われたので、素直に土鍋の一番下に入れて上にはどんどんと定番の具材を重ねていく。
弱火にかけて、様子を見ながら仕事をする。今日は多少の無茶振りな仕事でも大丈夫。我、おでんが待ってる身ぞ。
大根もしっかり下茹でしているし、今日は久しぶりにじゃがいもも入れる。じゃがいもは溶けちゃうから後入れで。あとは忘れちゃいけないちくわぶも。ご当地おでんネタとも言えるちくわぶ。SNSでだいぶ認知度は高くなったとは思うけど、謎具材。ちくわじゃないよ、ちくわぶだよ。
さて、いよいよ食べようという段階になり土鍋の中を見ると、おつゆがやや濁っていた。おかしいな、沸騰しないように注意していたんだけど。
「?」となりながらも食卓を用意して、さあ待ちに待ったおでんだ!下茹でもして柔らかくなった大根、味の染みたこんにゃく、たまご、どれもいつも通りのおいしさ。
いつも通り。
いつも通りだよね?
っかしいなあ?なんか後味がいつもと違う?
不味いとかじゃない。毎年毎年冬になると作るおでん、入れる具材は同じだしそんなにブレるはずがな............
牛すじだ!!!!!!
忘れてた、と底の方の牛すじを取り出してみた。
硬い。全然すじ。
全然の使い方が違うけど“全然すじ” としか言いようがない。スジが入ってる。筋。
ほのかな臭みも残ってる。牛がいる、ここに。牛舎で牛の脛かじってるみたい。うそ、それは言いすぎた。200m先に牛舎があるくらいのほのかさ。
けど動物性の臭みが苦手な私には十分すぎるほど主張してくる。
どおりでスープも具材も、みんなソワソワしていると思った。安定感がないというか...
美味しかったけど、なんか自信なさげな味してたんだよね。
このまま牛すじを入れておくと他の具材も牛化しそうだったので、牛すじだけ別容器に入れて、他の具材は土鍋から別の鍋に入れてスープを新たに作って足して冷蔵庫へ入れた。明日のお昼もおでんにするつもりなんだけど、明日には自信満々に「自分、おでんッス!」っていう安定した味になってくれてるかな。
鍋の中でいつメン以外が入るとこんなに影響出るのね、と勉強になりました。
今日は私もみんな(いつもの具材)も戸惑ってた。けど一番戸惑ったのは牛すじだったのかも。多分圧力鍋かなんかでいったん柔らかくしないとダメだったんだろうな。ごめんな、明日、圧力かけてやるからな!