帰り道、お日様はとっくに沈んで薄暗い。たくさんの人駅や自分の家に向かって歩いていた。大きくて真っ赤な満月が出ている。
お喋りしながら歩くうちにだんだん眠くなってくる。みんなの口数も少なくなっていき、そう経たないうちに少しくらい目を閉じても構わないかなという気持ちになる。
2歩ほど目を閉じて歩いてハッと気付く。同行者が全員目をつむって歩いている。ぱんと手を叩いて、寝るなら帰ってからにしよ、と言う。
同行者たちはそれでぼんやりと目を開けたが、周囲を見渡すと全員が全員目をつむって一方向へ向かって歩いている。