2014年1月8日

夢日記
·

私はお兄さんに恋をしている。

お兄さんは優しくて、いつも私と遊んでくれる。ある日、二人でお祭りに行くことになった。何かを忘れている気がする。商店街では昼間から花火を上げている。

「花火だとわかっているから綺麗だなって思うんですよね」

「実は花火じゃなくて何かの爆発なのかもしれないよ」

お兄さんに手を引かれて、気づけばお祭りを外れて暗い道に出ていた。そこにあるのは、そう、お兄さんの家だ。歩いてきた方向からしてこんなところにあるはずないのに。それとも私が方向音痴になってしまったのだろうか。私がそのまま家に近づくと、お兄さんの手が私を引き止めた。

「やめたほうがいい」

「だってここお兄さんの家ですよね」

「君に教えたいことがあるんだ」

「どうしたんですか」

「君は僕が造った。君は小説の登場人物なんだ」

混乱した。

私が小説の登場人物? お兄さんが書いた小説の? ならお兄さんは何故ここにいるの? 何故私はこの人を好きになったの?

「僕は君が好きだ、だから君が僕を好きになる話を書いた」

「どうしてそんなこと言うんですか」

「僕は捨てた現実を拾おうと思う。君を現実に連れて行きたい」

「どうしてそんなこと言うんですか……」

「そこには君の親も友だちもいない、知っている場所もあまりない。でも、僕と来てくれないか」

お兄さんは熱に浮かされたように囁き続ける。彼は私の言葉を聞いていないようだった。考えてみれば物語のはじめからそうだった気がする。

何故この人を好きになったのか思い出せない。

私の気持ちは造られたものだったのか。

私の気持ちなんてものはそもそも無かったのか。

それでも私がこの人を好きなのは、この人が創造主だからなのか。

@amkw
あなたが読むべきものはここにはありません