私は遠くにいる兄姉のところへ幽体離脱してきたようだった。彼らは死んだ弟を悼み、行方のわからない私を心配していた。
呼びかけても気づいてもらえないので、壁をその辺にあった棒(箒?)で叩くと、二人はその音に気がつき、神様の仕業だと言い始めた。そんなんじゃないのに、と思いながら、二人がしてくる質問に答えていく。
わたしは無事。元気にしている。弟は龍になった。あなたたちも龍になって戦わなくてはいけない。
答えられることがなくなると、私は姉の胸に手を当て、彼女の幸運を祈った。ついで兄の幸運も祈る。
そろそろ自分の体に戻る頃合いだ。姉は私の正体に気付いたようだった。