デパートの中にある手芸屋で知人男性に声をかけられる。
欲しいビーズがなくて困っているとか話していると、不意に手を掴まれる。見るといつの間にかその人は左手に、やけにリアルな黒くて重い拳銃を持っていて、視線の先には敵がいる。
状況が理解できない私は、この人左利きだったのか、と思う。
彼は敵に何発か撃ち込んだが、逃げられてしまう。
敵に彼と親しくしているところを見られ、敵の姿を見た私は、きっと彼の仲間だと思われた。狙われることになるから、責任を取って守らせてほしいと言われる。最も守りきれる保証はないようだが、一人でいて確実に死ぬよりは幾分かマシだろう。
私たちはデパートの複雑な裏道を通り、いつの間にか地下に辿り着いた。
私は水鉄砲のような銃を渡され、とても簡単に使い方を教わった。
そこには彼の仲間たちと敵の機械がいて、私たちは機械の攻撃を掻い潜って進む。安全地帯だという場所まで着くと、黒くて大きな、古いファックスのようにも見える平たい電話があった。一回だけ家族に電話してもいいと言われたが、留守電だった。
「心配はいらない。帰らなかったら××さんと駆け落ちしたんだと思って」といった内容の録音を残した。
駆け落ちには逐電の意味もあるからまあ嘘というほどのことではない。行く先は地獄かもしれないが。
私はその人に、戦い方をちゃんと教わりたいと言った。