2016年5月26日

夢日記
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王城奪還に成功した私は、簒奪者の娘姉妹が逃げていくのを楼の上から見ている。彼女たちはただ父親が奪い取った地位の恩恵を享受していただけで、国に対しては何もしていない。それは分かっていたが放っておくわけにもいかない。あの二人の姿は城を追われた時の私に似過ぎている。兵に命を下しながら、私はあの日のことを思い返していた。

 火が上がったのは宴の最中だった。両親とはとうに逸れ、私は妹の手を取って走っていた。二人とも新しい浅葱の着物を着ていたのを覚えている。誰が味方なのかわからないまま、私は城の外を目指した。妹とは城の中で逸れてしまった。戻るわけにもいかず、私はたまたま知っていた何でも屋の家を目指すことにした。

何でも屋の家は町の普通の民家と比べても掘っ建て小屋としか言いようのない建物で、それでも壁があるのがありがたかった。

私は何でも屋とどうでもいい話をしながら、小さなトートバッグと食料、動きやすい着物を選んだ。途中、追っ手の兵士が一人入ってきたが、私がカウンターの内側に隠れると、何でも屋は察した様子でうまく匿ってくれた。追っ手はやがて出て行き、私は何でも屋にお礼を言って、迷惑をかけるわけにはいかないからと、お金を払ってその場を離れようとした。その時、不意に追っ手が戻ってきた。彼は私を見つけて何でも屋に謀られた怒りのままに店の壁に穴を開けた。

何でも屋はぶつぶつ言っていたが、逃げ道を案内してくれた。顔は覚えられているので、仕方なく一緒に逃げてくれるらしい。

@amkw
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