ついてくるマッチョイズム

amy
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公開:2024/1/19

昨日書いた記事が当社比でなかなかに反響があった。感想レターもいくつか来ていて共感いただいているらしい。嬉しい

これはたぶん『しずかなインターネット』という場に認知特性として言語優位な人が多いからではないのかなーと思う

本当にざっくり言えば言語によるインプット、アウトプットがその他のツールよりも得意というか、やりやすいということなんだけれど、そもそも自分のことを考えて、それを文章にするばかりではなく他人の公開されたそれを読むことも好きな人はほぼ文字から情報を摂取することが好き、得意という人が多いのは当然だろうなと思う

私は活字大好きだし、文字があるととりあえず読むタイプである。注文が終わったのにファミレスのメニューを延々と見ており注文忘れかと店員さんに話しかけられることもある。最近のファミレスは栄養のところが細かくて脂質とか糖質とかアレルギー情報とかも書いてあるからありがたい。いや、健康的な面からいえば書いてあるべき情報なのだけれども。お料理の説明とかめっちゃ読むもんね…。お風呂入っているとシャンプーボトルとかの表示見るしお菓子を買えば食べながら成分表見る。ココアバターとかカカオマスというものの存在を知ったのはチョコレート菓子の成分表示からである

しかしYouTubeや各種配信サイトができてからというもの、めっきり文字でインプットすることが難しくなったものがある。そう、レシピである

SNSでも料理名とそれを解説している動画のURLだけを共有するタイプの料理家さんたちが増えてきて、おーーーーーん…となっている。動画見るより文字で読むほうが早くない?どう?動画ってだって進むのを待たなきゃいけないじゃん。文字は自分が読んだらそれでOKなんだよ???

たぶんあらゆる情報はできればテキストベースで欲しい人にとっては「わかる!」ってなってくれたりしない…?でもレシピは料理の工程見たい人とかもいるか…。私は料理の工程より手順や必要な情報を文字でインプットさせるので動画で説明するタイプの人のレシピはあまり参考にしなくなっちゃった

そんな私が大好きな料理家さんは長谷川あかりさんである。どこかの記事でもレシピ紹介した気がする

見ていただければわかるんだけど、写真付きで調理工程と材料を文字で紹介してくれて、かつそこまで複雑な工程やめずらしい食材を使っていない、一度に使う食材が少ないためシンプルかつおいしいので今日何食べようかなーと悩んだときは長谷川さんのレシピをお借りすることがある。おすすめはチキンとれんこんのカレー

ここまで書いて思ったけど、やっぱり文字を読むこととか「読書」という行為はすごくマッチョなことだよなー。だって自分から読むということをしないとそこにある情報が何一つ入ってこない。動画や音声と違って能動的にならないといけない。文字情報を読み取れないことを揶揄する言説を見るたびに「読む」という行為に宿る特権性だったりそこから芽生える選民意識とかに気をつけなあかんな…と思う。そもそも身体的な事情で文字を読むことが難しい人だっているわけだし。第169回芥川賞受賞した「ハンチバック/市川沙央」とかもそういうことだし

テキスト情報が一番いいなーっていう話に共感してもらえたのが嬉しくて、あれこれと考えていたら文字を読むことに付随するマッチョさに自覚的でいたいね、という結論になりました。こんなマッチョな行為、大人しい人はできないよね

@amy
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