ついに観てきた。 観ようかどうかちょっと悩んでたんだけど、フォロワーさんから「ぜひに」と勧められたので、ネットでチケットを買って観てきた。
ちなみに先週の火曜日に『教皇選挙』その翌日に『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』なので感情がごろんごろんととんでもない方向に転がっていきました。なんちゅーこっちゃ
いやー、面白かった。 まあ、多分すでにいろいろ言われてるとは思うんだけど、やっぱり「冷蔵庫の女」的な表象があったのは、もうちょっとどうにかならなかったのかなとは思った。 もちろん、そこは引き受けた上で、男性から男性へのねっとりとしたじめっとした感情が存在していて、それと同時に、弱っている男性を男性がケアするという側面もかなり見られたので、その点はすごく好きだなと思った。
観てて思ったのは、上の世代の怨念とか恨みとかつらさって、究極的には下の世代には関係のないことなんだよなあということ。リアルの社会でもよくある話で、親同士が仲悪いから「〇〇ちゃんとはもう遊べない」みたいなことを聞いたりするけど、結局、上の世代のゴタゴタを下の世代に持ち込むのって、まあ、つらいのはわかるけど下の世代にとっては、ただ抱える荷物を増やされるだけというか。 自分たちには自分たちでやりたいことや、やるべきことがあるのに、そこにさらに? とは思うし、そうなると下の世代の自由を奪うことになる。
恨みをそのまま次世代に引き継ぐくらいなら、もう少し上の世代の中で整理するなり、どうにかするなりしてほしいし、それが必要になるんじゃないかと私は思う。ただ、そうはすんなりいかないことも、わかる。
不意に自分の大切なものを奪われたりしたら、整理なんてできるわけがないと思うのは当然なんだよな。その苦しみは理解できるし、共感もできる。でも、だからといって、恨みから人を傷つけて、その傷ついた人がまた誰かを恨んで……ってなると、本当に負のループで、どこまでも続いていく気がする。映画を観てても考えたし、実際の社会を見ても、怨嗟から復讐心が強くなって、必要以上に攻撃的になっている人はいる。
だからこそ、恨みの処理の仕方について、もっといろんなフィクション――映画や漫画、アニメなんかで――見てみたいなと思った。ただ、「人それぞれの正義がある」みたいな、収まりのいい言葉で片付けるんじゃなくて、「復讐からは何も生まれない」みたいにきれいにまとめるのでもなく、もっと屈託や恨みがましさとちゃんと向き合うような作品が見たくなるな、と思った。今求められているのは恨みの晴らし方だと思うのよ