自分が詳しいと自負している分野について、日頃なじみのない人から「おすすめを教えて!」って言われるの、めちゃくちゃ嬉しいけど同時にめちゃくちゃ難しくないです???
というのも、先日好きな漫画つながりで仲良くなった友人に小説を読みたい、本を読む習慣をつけたいが、どういうのがおすすめかと問われてしまい「あ~~~~~えっとお~~~~~~」となってしまったんである
ここで私の頭のなか巡ったのは、とにもかくにもこの友人に「本を読むことにマイナスなイメージを持ってほしくない」である。お気に入りの作家をすすめるでも読みやすい本をすすめるではなく、ガチで、本気で読書好きを増やしたいがゆえに裾野の広さを保ちたいということが最優先事項になっていた
そこで私はまず「読書」や「本を読むこと」へのハードルをギャンギャンに低くしていくことを述べた。私もこの友人と話していて実感したのだが、日常に本を読むという行動が組み込まれていない人は本を読むことを非常に善きことで高尚で特別視をしている。そんなんじゃない!そんなんじゃないんだ!
アプリで漫画を読むように、Netflixでアニメを見るように、そういう気楽な娯楽なんだよ~。動画を見る、漫画を読む、本を読む。ただの娯楽とひたすら並列な行為であり、また必ずしも1冊の本を読み終えなくても問題ないのだと!
読み終えることを目的にしては苦行になるから、あくまでも小説を楽しむために読むという心構えのほうがいいし、読んでいる本がつまんなかったらアニメや漫画の〇〇話無料!のときみたいに途中でやめたっていい!時間をおいてまた読んでみると違うおもしろさがわかったりするということを述べた
また本を読むことを習慣づけるためにはどうすればいいのか、と聞かれた。ここでまず確認したほうがいいと思うのが、電子書籍は存外合う合わないがあるということだ
どうしたって感覚的なものとして物理の本のほうが落ち着くという人がいる。私は新書や漫画なんかは電子書籍で読むことが多いけど、小説は物理の本が読みやすい。なので小説はほぼ物理の本で読んでいる
その友人に聞いてみたところ断然物理本派であるという申告があったため、じゃあ本屋へ行こうと言っておいた。たしかに電子書籍はすごく便利だし、私もホイホイ買うけれど、この身体的な感覚は個人差があり、本人が読みやすいスタイルで読むべきだと思う
また本を読む習慣がない人は、当然なのだけど本を読む習慣がない!つまり日常の些細なタイミングで本を開くことがないのだ。なので実際に読むかどうかは別としてスマホと本をセットにして、家の中で過ごすときもテーブルの上とかに一緒に置いておくことをすすめた。スマホあるところに本があるというように、視界に入ってくる回数を増やすこと。実際に本を開くかどうかではなく、見えているところに本を存在させることがまず大事で本がある生活に慣れていくことから始めたほうがいい。まだ生活にイレギュラーな存在として居る本を馴染ませてレギュラーメンツにすると、おのずと手を伸ばす回数も増えていく
またどんな本を読めばいいかと問われ、ものすごい難題がきやがった…!と強敵を目の前にした勇者的な気持ちになった
これはもう読みやすい本に出会うほかない。これも完全な持論なのだけど文体(文章)と読み手の相性って絶対に絶対にあると思うんだ…!なんか目が滑ったり、入ってこない作家さんとかいるし、逆にするする入ってくる作家さんもいる。また相性のよしあしと自分の好みか否かはまた別なのだ
私の中では東野圭吾がこれにあたる。東野圭吾、だいたいガリレオの人で通じるすっげー作家先生である。私も何作か著作は読んでいる。話が一瞬それるけど『容疑者Xの献身』は非常に美しいタイトルだよねえ…。彼の著作のタイトルの美しさは本当に好きだ
東野圭吾の本は内容も人間ドラマとミステリを絡めていて道筋がたどりやすく、文章もシンプルで一文が短くてわかりやすい。人気作家である理由がよくわかる。おもしろいし、読みやすい。だがしかし、私の好みではないのである…!私はもっと比喩表現や情景描写がたくさんある文章が好きなのだ
だから友人には本屋へ行って、タイトルや装丁に惹かれたものを手に取り、ぱらぱらとめくってみて自分にとって文章が引っかかりがないか、読みづらくないかを確認したりその場でスマホや文庫のカバー裏なりで本のあらすじをチェックしてみて、興味を惹かれるものから読んでいけばいいと伝えた。あらすじを事前に調べることもマナー違反でもなんでもない。むしろ全く何も知らないで本を買うのはいまの時代では博打に近いものがあるので
本当はただひたすらに自分の好きな作家や本をプレゼンしたかった…!でもぐっとこらえて、無事読書というジャンルにハマってくれるようにハードルを低く低くすることに尽力した。今度本屋に行ってくると言っていたので買ってきた本を聞いてみよう