ほんとは今日、BUCK∞TICKの大阪公演だった。楽しみにしてたのに、結局神戸も最初から手放して、大阪も、ぎりぎりまで迷ったけどリセールに出した。
「違う」ことを思い知らされるのが辛かった。私が好きなのはあっちゃんのいるBUCK-TICK、今は四人のBUCK∞TICKで、私の知ってる四人じゃない。懸命に走っていること、音楽を続けてくれることがこんなに嬉しいのに、ごめんね、その背中を見ることがしんどい。
身勝手だなあ。
もう二度と、五人のBUCK-TICKに会いに行けることはない。思い知らされるのが分かっているから、行ったらそのときは楽しいけど、後から空しさが募るようになった。
…云い訳、かな。
ぼんやりライブに行って、一人で楽しめる空気が好きだった。一人で飛び跳ねてた。ファン層が変わってきたのも事実だろうし、ライブの傾向がNot for me なのも事実だ。ただ見ているだけでよかった。参加したくなかった。客席降りなんて、同じ目線に来るなんて思いもしなかった。遠くで輝いていて欲しかった。手の届かない綺麗な星。ずっとそこで輝いててくれる唯一無二のスター。やりたいならやって欲しい。四人が楽しんでいるのなら、それでいい。でも。
しんどいなあ。
存在が、じゃない。自分の中の欠落、損なわれたことを理解して、思い知ってしまったことがしんどい。
あっちゃんのいる五人のBUCK-TICKが好きだった。過去形になってしまった。ずっと好きだと自惚れていた。身体の真ん中にあった支柱が奪われてしまった。永遠に損なわれてしまった。
きっと「走り続ける」と決めたのは、名前を変えたのは、「五人」の形が完璧過ぎたからなんじゃないのかな。躊躇って、足を止めてしまう人がいたとしても、それでもいいと思ってるんじゃないのかな。いつでも走っているから、途中下車も、またの乗車も、まだ許してくれるって思ってていいかな。勝手な期待でごめんね。そう思わせていてね。ずっとずっと、恰好良くいてね。
五人でも、四人でも、大好きだよ。
でも、今の「私」が感じているしんどさを無視したまま、四人を追いかけることはできないんだ。
しんどいと心底思えるまで、二年掛かった。見ないふりをしてきた。傷と欠落を理解したら、あとは自分の中で穴を穴のままにしておくか、別のものとして昇華するかだ。修繕も、埋めることも無理だもの。どこにもいけない。今はここから、ときどき目を逸らしながら眩しいものを見ていたい。
いつかまた、四人のBUCK∞TICKにふらりと会いに行けたらいいな。それまでどうかずっと元気でいて欲しい。ステージにいて欲しい。身勝手な願いだけど、心からそう思う。