組織のルールを馬鹿にしてた
若手社員のころ、直属の上司を飛び越えて部長や社長に提案したり、許可をとったりしていた。いくつかは成果につながり売上に貢献したものの、思うような評価にはつながらなかった。
アイディアには鮮度があるからスピード命、直属の上司に相談するより社長のオッケーとる方が早い、上司に話したけどあまりピントきてなさそうだ。結果、成果出たからいいじゃん…なんて思ってた。
中間管理職になり当時の考えをあらためるようになった。
飛び越えたらどうなるの?
まず、部下の動きは直属上司にほぼ伝えられる。「あいつの意見はすばらしい、あなたより仕事ができるね、評価をあげなさい」なんてことは言われず、「組織のルールを把握していない」「承認欲求が強い」「チーム内でちゃんと意見を揉んだの?」と言われる。
また当時の私が抜けてたことのひとつが、直属の上司=評価者であるということ。だからと言って、直属の上司にゴマをすって忖度しろってわけじゃない。そんなうわべの話じゃない。
その直属の上司を評価したのが、さらに上の社長や部長であり、直属の上司を軽んじる=組織が任命した意思決定や判断を軽んじるということにつながる。
いま私が当時の直属の上司の立場である。上から、部下の悪い評価を聞くのはなんとも苦しい気持ちになる。私は部下から信頼されてないんだな、部下の評価を守りたいがどう本人に伝えればよいのだろうか。
ひとつ飛ばし
当時のわたしに「あなたの振る舞いは残念ながら評価に繋がってない。本気で取り組みたいのならチームで意見をかためて進めよう」と伝えたところで、「私のことを思って提案してくれた!感謝!」なんて思わず邪推が進むだろう。
調べたところ、このような組織の問題を「ひとつ飛ばし」というようだ。部下が直属を飛ばし提案すること、逆に上が直属の部下を飛び越えてメンバーに指示することも「ひとつ飛ばし」とされ、組織に悪影響を及ぼすとされている。
かの徳川家康も、下っ端が「戦でこんな手柄をたてました!」と報告したところ、「お前の役割は直属の上司を守ることだよね?それを捨てて敵将討ちにいって、かつうれしそうに報告してきたのなんで?」となり、直属の上司を呼び出し報告した人(部下)をクビにするよう指示したようだ。
また、徳川家康が参考にしたと言われている書物「貞観政要」にも「権限の感覚は大切」とある。
長くなったけど、組織のルールを馬鹿にしてはいけないなと気づいたことを記しました(40過ぎて気づくの遅すぎ笑)
ただ、現場の気づきや意見を無駄に押さえたくないとも同時に思う。そのためにも信頼関係の構築に努めるのが賢明だなぁ。「直属の上司に相談してから提案する方が、個人で提案するより良い結果になった!」と思われるといいな。