何かことばを綴りたいとき、ことばを残したいとき、ぐるぐるする気持ちをことばにしながら自分の心の中を覗きたいとき。
たまたま思い出した過ぎた日とか今日の出来事とか。静かだったり、爆発的だったり。整理されてても、とっ散らかってても。
だらだらと流れるみたいに、自由気ままに書ける場所。わたしの心のヒダに引っかかったことばたちをそーっと放つ場所。そんな場所をずっと探していた。
「ねえ聞いてよ」って聞いてほしいとき、何かを伝えたいときはもちろんある。自分だけに留めておけないような気持ちや瞬間を、共有したいときもある。
でも、誰に伝えるでもなく、ただただ書きたいときもある。だいじな記憶を何となく記録したいときもある。そんなときは誰かに伝えることを目的とせず、ただ自分の中にあることばに目を向けたい、耳を傾けたい。
(そんなことを言いつつ、自分の知らないところでたまたま誰かの目に触れたり、届く人に届いていたら、それはそれでとても嬉しい。)
夕暮れ時の色、ふらっと行った場所、美味しかったお酒、本を読んで感じたこと、好きな人のこと、水族館の魚たち、素敵だなって感じたやりとり、新しく買った服、これからのこと、幼少期の自分、ちょっとしたなんてことない日々の欠片。
隠しておきたいような、気持ちの真ん中にあるもの。
誰に届くでもないことばを詰めた小瓶をそっと海に放つみたいに、凪いでいるここにゆらゆらと気まぐれに放っていきたいな。