まずは今年の小説10選から。
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
ピーター・S・ビーグル『最後のユニコーン』
ゴンザロ・M・タヴァレス『エルサレム』
タブッキ『供述によるとペレイラは……』
リルケ『マルテの手記』
高橋たか子『誘惑者』
クラリッセ・リスペクトル『星の時』
グレッグ・イーガン『万物理論』
ジュリアン・グラック『シルトの岸辺』
カズオ・イシグロ『日の名残り』
生きるということ、それを言葉にすること。読むというよりも何かに触れるような瞬間のある作品が好き。
モンテーニュ『エセー』
次に春休みに読んだモンテーニュを挙げる。正直なところ内容はあまり覚えていないのだけど、でもこれを読んでいた日々は単純に楽しく充実していたような感覚が残っていて、それだけでもう素晴らしい読書体験だったと思う。
後に何が残るかとかは考えずに気ままにふらっと古典を読むというのは素敵なので今後も実践したい。
シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』
シモーヌ・ヴェイユ『神を待ちのぞむ』
ヴェイユと出会えたのは大きい。その魂の品格に憧れる。特に『神を待ちのぞむ』は座右の書にしたいくらい。
アイリス・マリオン・ヤング『正義への責任』
アマルティア・セン『不平等の再検討』
ジョセフ・ラズ『自由と権利』
政治哲学系の本でこれだというものはあまり読めていない気がする。来年はロールズとか読みたい。
ヤングとセンは、私の中のリベラリズムと民主的平等の構想をかなりくっきりとさせてくれた。どちらも文庫で手に入りやすい(やや高いが)ので素晴らしい。
ラズの著作からはかなり学ぶところがあった。公共善からの議論とか、卓越主義リベラリズムとか、あまり馴染みがないというか正直なところ漠然とした不信感すら抱いていたものだけど、ちゃんと理性的な論証に基づいて根拠づけされるとなるほどという感じ。
フランチェスコ・グァラ『制度とは何か』
H. L. A. ハート『法の概念』
ロナルド・H・コース『企業・市場・法』
ケイリン・オコナー『不平等の進化的起源』
制度についての本。特にオコナー本はもっと読まれるべき。社会的な不平等がいかに容易に発生し強い粘着性を示すのか、その機序について誰もが知っておくべきことが書かれている。「進化」とあるけれど、進化生物学の本ではなくて進化ゲーム理論の本。
ハートとコースは古典だけど、どちらもその問題提起は未だ色褪せない。グァラ本は制度というものの社会的構築性と物理的実体性の両面を教えてくれる良書。
トマス・ホッブズ『リヴァイアサン』
倫理学の古典もいくつか読んだけれど、その中で一番心に残ったのは本書かもしれない。鋭利な洞察と透徹した論証は、私のような素人が読んでも思索を深めるのに資する、そういう意味で素晴らしい哲学書。
リサ・フェルドマン・バレット『情動はこうしてつくられる』
アンディ・クラーク『現れる存在』
ランドルフ・M・ネシー『なぜ心はこんなに脆いのか』
最後に心理系の本。環境の中で予測しながら行動する存在としての生物、という人間観を共有する3作。人間とは何かというのは小説を読む上でも正義について考える上でも重要だから、この辺の分野の本は今後も読んでいきたい。
2026年に読みたい本
フランス文学の古典
ル・クレジオ
モディアノ
双書現代倫理学
ロールズ
あとは語学の勉強も再開できると良い