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2026/9/18:日記

Aqu4
·
公開:2026/9/18

大江健三郎「空の怪物アグイー」を読んだ。かなり良かった。どこか幻想的な趣のある短編で、こういうのも書けるのか、と大江の引き出しの広さを感じる。《時間》の話とアグイーとがつながるところとかは何となくSFっぽさすらある。Dの幻想の内側からのSF的な説明と、それを外側から捉える精神病理学的な説明とが二重になっていて、どちらとも捉えられるのが良い。そして終わり方もこなれている。そもそも、空に失われたものが浮いていて、時折私たちのそばに降りてくる、というモチーフが良い。それが、生まれた奇形児を殺してしまった父親により都合よく発明されたものであるとしても。とにかく本当によくできた完成度の高い短編だと思う。

以上で初期短篇8作を読み終えたけど、この中だと、短編集のタイトルにもなっている、「死者の奢り」、「飼育」、「空の怪物アグイー」の3つが特に好きかな。いずれにせよ、以前読んだ『万延元年のフットボール』も含め、私はかなり大江健三郎の作品が好きなようだ。戦後の日本文学を、安部公房、遠藤周作、大江健三郎、中上健次と読んできて、どの作家にもそれぞれ違う良さがあるけれど、やはり大江健三郎はどこか一つ頭が抜けているようにも感じられる。とはいえまだまだ代表作をいくつか読んだ程度なので、もっと色々読んでみたい。


ゼミの履修許可者が発表されたのだが、私が応募したゼミは、今のところ私しか学部生がいないみたいで怖い。院生がいるだろうし追加募集もあるのだけど、とはいえかなり少人数になりそうな予感がする。そもそも、フランスの憲法学者が書いた権力分立についての学術書を原語のフランス語で読むというゼミ内容自体が難しすぎて、何でこれに応募しちゃったんだろうという感じだ。


テレビで犬神家の一族をやっていたので見た。謎が明かされて仕舞えば想像よりもシンプルな話だった。

@aqu4
「僕みたいな麗しい者は、生きていると感慨に耽ることがままある。そういった現実で得られる経験こそ、素晴らしい劇中歌にとっては欠かせないものなのさ。」