2026/3/9:日記

Aqu4
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公開:2026/3/9

2日目。

天然温泉が気持ちよくて夜と朝と2回入った。武雄からは観光列車ふたつ星でゆっくりゆったりと長崎へ。車窓から過ぎゆく景色を一望できて楽しい。田畑の中をぽつぽつと立つ家々、背後に聳え立つごつごつとした山並み、そんな中を少し過ぎると眼前に広がるのは有明海。青く穏やかな水面は鷹揚と揺らめきながら、陽の光を受けて燦々と煌めいている。奥の方、空との境目には対岸の山々が霞んで見えた。ときどき駅に停まって駅舎を見たり出店でみかんジュースを買ったりした。

車内で『沈黙』を読み終える。信ずる者と苦しむ者とが一緒ならまだいいのに、自分が信じれば信じるだけ他の誰かが苦しむとしたら、それでも信仰を貫いていられるのか。自らの司祭としての使命と他者の現世での苦しみとを天秤にかけねばならないということの過酷さを思う。同時に、私なんかは、神に祈ることはできても、キリスト者であれることはないのではないか、とも思う。祈りを信仰という形で持つとはどういうことなのか、未だ掴めずにいる。

長崎に着いたら市電に乗る。地元には路面電車は走っていないので物珍しい。街は坂が多くて同じ港町である横浜や神戸の雰囲気に少し似ている。平和公園、浦上天主堂、原爆資料館を巡った。教会はあまり行ったことがないのだけど、静かで厳かな雰囲気がとても心に沁み入る。もっといろいろ訪ねてみたい。

ところで『沈黙』ともつながるけど、原爆もまた神が与えたもうた試練なのだとしたら、あまりにも惨すぎると思ってしまった。原爆資料館ではファットマンの模型も見た。大きいようだけど、これ一つでどれほどの被害を出したのかと思うと、むしろ小さく見える。ビキニ環礁など他の被曝地についての展示も少しあった。神様がいるのなら、そして私の願いに応えてくれるのなら、この世界から核兵器を消してほしい。

宿の露天風呂からは長崎の街が一望できる。トンビが円を描きながら上昇していくのを目で追いつつも景色を楽しんだ。

@aqu4
「僕みたいな麗しい者は、生きていると感慨に耽ることがままある。そういった現実で得られる経験こそ、素晴らしい劇中歌にとっては欠かせないものなのさ。」