昨年末から僕らは、仕事上でちょっとした苦境に立たされていた。
「それをやる目的は何?」
「で?結局何が言いたいの?」
「その説明だと話がつながらないね」
「全然事実を認識できていないよ」
「君は考えているんじゃない、悩んでいるだけだ。その状態から早く抜け出せ」
これらの言葉を投げかけられては答えることができず、持ち帰った指摘内容に対する回答をみんなで考えてもどうにもしっくり来ない、そしてまた同じ質問を投げかけられる、そんな日々が続いていた。
そんなやり取りが10回ほど繰り返された昨日、ふと気づいたことがあった。
それは、「今までしてきた回答は、上司の意図に沿う形で答えていただけなのではないか。そこに嘘が入るから深堀りに耐えられないのでは?」ということだ。投げかけられる質問の中には、仕事に対する個人のものの見方・考え方に関するものもあるので、半端な嘘は通用しないのだ。
そこから僕らは、仕事の目的、課題、解決策をとりあえず脚色なしで自分たちの思うままに書き出してみた。それらを書き出した後、それらに対して「どうしてそう思ったのか(感想)」と「そのとき何をしたのか(行動)」を時系列順に並べて変化を見てみることにした。
すると、またあることに気付く。
「感想と行動、話がつながらないところがあるな」と。
「〇〇だと思って(考えて)、▲▲した。」に対して、〇〇と▲▲が論理的につながらない。論理的につながらないので、さらに深堀してみることにした。
〇〇だと思って、□□をやってみた結果、××だったので、▲▲した。
のようにこれまで見過ごしていた□□や××が出てくるようになった。
それを繰り返していくと、僕らが課題や目的と思っていたものが別の形を見せるようになった。それをもとに改めて事実を整理をし直すと、今まで何が何だかわからなかったことが、すっと自分たちの頭に入ってきた。課題や目的のとらえ方が変わり、自分たちのやってきた仕事の意義を自分の言葉で語れるようになった。
「事実を把握する」
そのやり方の一端を学んだ気がする。