空港の搭乗口で怒号が飛び交っていた

arashi
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東京出張のために空港にきていた。いつも通りに手荷物検査を終え、搭乗口に到着した時、誰もいない搭乗口に向かって叫んでいる人がいた。

恐れ慄く周りの人たち。

よく聞いてみると、飛行機の到着遅れにより搭乗時間が遅れたことを怒っているようだ。

怒号の内容に耳を澄ませる。

「おい、誰もいねえのか。」「ふざけんじゃねえ」

早く搭乗させろと乗務員に言ったものの、飛行機が遅れているから、お待ちください。と言われたようだ。その後、乗務員はその場を離れたらしい。そのことに憤慨して、怒りを撒き散らしている。物珍しそうに見ている人、動画を撮っている人、興味を示さず携帯を見ている人など様々だった。

怒号はなかなか収まらないため警察が駆けつけた。それでもなお、怒りは収まっていないが明らかにトーンダウンしていた。何かを警察と話している。

数分後、搭乗拒否を告げられ、ヒートアップした。「なぜ俺が悪いことになっている。止めたあいつらが悪いだろ。」

とんでもない主張である。準備できていないのに乗れないから仕方ないと思ったが、何か主張があったのだろう。警察も増え、航空会社の担当者も数人きた。搭乗拒否の説明とキャンセル料の取り扱いを説明している。明らかに納得がいっていない。「なぜ乗れないのか、お前らが悪いのにこっちが悪いみたいな態度でいるのはなぜだ。説明しろ。乗れない理由もわからない」

それに対し、「大声を出されますと他の方のご迷惑になります。」と航空会社の方は説明した。当然の説明だった。しかし納得はいっておらず、驚きの主張を繰り広げた。

「機内なら迷惑だと思うが、機内じゃないここで大声を出すことに何が迷惑なのか?」

機内なら静かにすると言っているのだ。流石に無理がある。一緒に乗ると考えると怖すぎる。その怒号のせいで、すでに搭乗準備ができたにも関わらず、誰も乗れていないのだ。

一見冷静さを失っているように感じるが、急に周囲にメッセージを送る「動画撮ってんじゃねえ」

時より冷静な一面も見せるのである。

なかなか収拾つかないため、別室での話し合いが提案された。最初は拒否していたが、応じることにしたらしい。案内しようとする航空会社の方が歩き始めた途端「俺より前を歩くな」と怒号を発した。

彼は行く場所がわかっているのだろうか。全員の無事を祈りたい。

@arashi
考えたことや自問自答を書いています。満26歳、リモートワーカー、1児の父です。旅とみそ汁と魚と書くことが好きです。arashi.world