2024年4月12日(幻想のファシズム)

塩麴と玉葱麴とレモンピクルスを漬け、香味油を作った。忙しい一日だった。

今日、恐らく国会で共同親権が強引に採決される。経済的には家庭を破壊する政策を執り、理念的には豊かだった前時代のそれに逆行しようとする。愚鈍ここに極まるが、その極致に独裁と戦争が待っている。という主張が真実味を帯びてきたのが怖い。

ぼくたちは結局、家父長制に代わる新しい価値観を見つけられなかったんだ。と尊敬する漫画家さんが言っていた。でも多分、みんながそれを探している最中なんだ。その中で、政治だけが前時代的な価値観にこだわっているというのが現状だろう。クソ宗教くせえ。

<言うまでもなく父権は幻想である。だが、少年はいずれ、その幻想と一体化すべく歩き出さなくてはならないのだ>村上龍が父権を扱った短編小説集「悲しき熱帯」のあとがきに、そう書いていた。すでに壊れてしまっている幻想と、少年はどのように一体化すればいいんだろう。

<わたしはやがて、父権=幻想であるということを、母性の助けを無しに書くつもりだ>と、あとがきは続いていた。それを試みた長編「愛と幻想のファシズム」では、少年の目を持った副主人公ゼロが自殺する章で、物語は終わった。