2024年3月28日(ぼくは砂時計)

雨が降っている。落下が、時の比喩のように地球を覆う。

砂時計に似ているな。とぼくは思う。砂時計は、時という現象の優れた象徴だ。それは重力に従って落下することによって時の順行を視覚化する。(あれをひっくり返すとき、ぼくは何をひっくり返しているんだ?)

ぼくの身体は生きた砂時計。さらさらと時を運んでいる。感情や記憶を孕んだ砂がぼくの中を流れ、砂がぼくだ。いつか誰かがそれを手に取って、言葉の無い海に沈めてくれるかもしれない。落ちてゆく砂の「愛している」という声を。