井上純一先生の経済エッセイまんが「逆資本論」を読んでいる。内容は、マルクス主義とは何か・新しい資本主義の形・気候変動・グリーンニューディール政策・財政健全化が日本にもたらした衰退など。
たいへん面白い内容ではあるのだけれど、政治や経済に関しては、ある情報に対し逆からの情報も収集することにしている。騙されやすい人間なので。
でも、政治的・経済的見地以前の問題で、この方のまんがは信用に足るだろうな。と思った。論拠が資料に基づいている。視点が長期的である。など、その理由はいくつかあるのだけれど、最大の点は、異なる意見を描写する時にまんが的悪人記号を殆ど使っていない点だ。
まんがというメディアは印象操作に非常に向いているので、悪人風の似顔絵や記号や演出を使えば、容易く悪いイメージを対象に植え付けることが可能だ。なのだけれど、井上先生は自らと相容れない意見を持つ人物に関しても、そのようなネガティブな記号は使わない。あくまで、公平性を保ちつつ論理を展開するし、そもそも自らとは違う意見=悪のような幼稚な見識を持たない。
というわけで、勉強中です。「逆・資本論」。