枯れてしまうのが悲しくて、一年草はもう育てたくない。と思ってたけれど、春になると、どうしてもまた苗を買ってしまう。
ぼくたちと植物の違いは何だろう。すごく乱暴に言ってしまえば、方法が違うだけで、生きているという営みは同じなのではないだろうか。
近所に広い菜の花畑があって、傍を通るとまっ黄色の匂いがする。ぼくはよく、自分があそこで生まれたてんとう虫だったら。と夢想する。小さな黄色の密林で産まれたぼくは、何をさがしてうろうろするのだろう。
人間のものさしなんて、人間だけにしか通じない、とても小さなものでしかないように思えることがある。小さなもののために、殺したり殺されたりするのは嫌だな。と思う。