2024年2月24日(鴉と少女と麦原)

久しぶりに太陽と地上が出会った。とても気分が良かったので、車で埼玉県の自然公園に行った。湿った落ち葉を踏みながら森の中を歩いていると、世界には何一つ無駄なものなんてないんじゃないかという気がした。自然の無秩序は、完成された秩序に見えた。多分、ぼくはもっと自然に学ぶべきなんだ。

コンビニで買った食料が入った袋をベンチに置いたまま、少し離れた場所にあるトイレに行ってから戻ると、袋がなくなっていた。きょろきょろと辺りを見回すと、近くの遊具で遊んでいた少女が大きな声で教えてくれた。

「鴉が袋くわえて、あっちに飛んでいきましたよー!!」

なるほど。食料は鴉に持ち去られ、食い荒らされてた。でも、そんなことより、少女の元気な声と親切さにぼくは驚いていた。最近、こどもたちに親切にされる機会が多くて、なんだかこどもたちの心が昔よりも豊かになっていないか?と感じる。いちいち親切で、社交的で、元気がいい。

昔より。というよりは、昔のぼくよりも。ということだろう。そうだ、ぼくは意地が悪くて、閉じこもり気味で、元気のないこどもだった。

こどもたちが笑ったり泣いたりする限りロックンロールは死なない。とハイロウズで甲本ヒロトさんが歌っていたのを思い出す。ぼくもそう思う。ロックンロールは生きている。絶対死なない。