2024年2月26日(発酵と腐敗)

三種類の瓶詰を作った。塩麹の瓶。醤油麹の瓶。檸檬麹の瓶。これらを机の上に並べ、数週間発酵を待つ。

ぼくの部屋には他にも、ザワークラウトやクラフトレモネードや香味醤油や塩檸檬が瓶詰になって並んでいる。発酵の過程を見ることが好きだ。何かが目に見えて熟成することが。

発酵について調べている過程で、興味深い事実を知った。腐敗についてだ。それは発酵とどう違うのか。定義的に言えば、どちらも状態変化という意味では同列であり、人間の身体とって益すれば発酵。害すれば腐敗。に分類される。

なんてエゴイスティックな話だろう。と、ぞくぞくした。事実上流転する状態変化に過ぎない自然現象を、人間にとって益するか害するかという都合のみを基準に、二種類の言葉に分けるなど。神以外そんなことができるなど。

生にも死にも、同じことが言える。自然や永遠から見れば、それは単なる状態変化の一部でしかなく、精神的な意味を持たない。精神的な意味を持ちたがるのは人間だけだ。精神的な意味を欲しがる生き物。とても不思議な生き物だ。好きだ。