昨日、少量の自己開示をしてみて、何故私小説を書いているのかという問いに対する解像度が少し上がった。
過去やトラウマ。それらは、ぼくにとって、羅列するだけでは終わらない問題なのだ。
例えばスコアブックだけを眺めても野球を観たことにならないように、事実の羅列だけで人生を知るのは不十分だ。その不足を。ぼくという偏見と、現実という無稽の狭間を。小説が橋渡しする。
自己と現実。そのどちらが正しく、確かであるかなど、ぼくにはわからない。多分どちらも出来損ないで、滅裂化したそれらの、私小説はリペアであると言える。欠損した双子を、縫い合わせて一つの新たな不完全を作るような。