震災の被害が徐々に明らかになってきた。廃墟のような町。増えてゆく死者に、心が沈むばかりだ。
だが、ぼくが沈んだところで、被災地の方々の助けになるわけじゃない。自分の日々を健やかに送れるように努めることが、巡り巡って誰かの助けになるのではないかという気がする。問題は、ぼくに健やかさが全く欠けているということだ。
好きなひとを好きでいることについて、ぼくには罪悪感がある。おまえみたいなやつに幸福は似合わない。という声が何処かからする。だが、これは愛される側からしてみても失礼なことだ。
愛することに対する過剰な恐怖は、愛される側に対しても失礼なことだ。ぼくは恐怖に打ち勝ちたい。どうすれば勝てる?