2024年5月6日(言葉脱獄獣)

 表出しない限り、他人には伝わらない。であるばかりか、自分にも伝わらない。

 そのようにして、沈黙は自失に至る。内部に閉じ込められたまま死にたくない声が喘ぐとき、詩人は法を破る看守となってその脱獄を許すだろう。

 その時、言葉は囚人から獣になり、行くべきところへ走り、そして飛んで行く。

 望みのままに。