大船という土地に住んでいる。
商店街を抜けると、そこには私の住まい。その道中には様々な飲食店が立ち並んでいる。大船には個人経営のお店も多く、いわゆる居酒屋やスナックなどの酒場などが深夜まで賑わいを見せている。
一方、この街には言わずとしれたファストフードも多く存在している。大船駅を出ると、マクドナルド、吉野家、松屋、天下一品、KFC、すき家、ファーストキッチン、マクドナルド、ミスタードーナツ、松屋、やよい軒…といった具合だ。(ちなみに大船にはマクドナルドが3軒、松屋が2軒、スターバックスも3つある。何故)
私が密かに好んでいるのは、「終電近い時間に帰宅した道中、ごはん屋さんの前を通ること」だ。
都内で飲んだ酔いもそろそろ醒めつつある頃、締めに味の濃い炭水化物が摂取したくなるからかもしれない。
でも、理由はそれだけじゃない。おそらく、ほとんどの客が1人客であり、そのそれぞれが牛丼と相対し、無言のうちに食べ進める様子が垣間見えるからだろう。
夜になると、ついセンチメンタルになり、気持ちが塞ぎ、所在なさ、寂しさを感じることがある。そんなときに、誰かの食事風景を目にすることで、「私ではない誰かが、今日も生き、生活をし、明日も生きていこうとしていること」をしみじみ感じているのだ。