猫ファーストな日々

ark
·

30歳まで実家住まいだった。その間、1匹ずつ計3匹の猫と、通算20年ほど一緒に暮らした。

そのうちの2匹は元成猫野良だったこともあり(そして実家の場所がド田舎だったこともあり)、家の中と外をほぼ自由に行き来する生活をしていた。

(あの時代、実家付近では飼い猫が外に出るのは普通のことだったけれど、一般的にはどうだったのか解りかねる。)

外で好きなように駆け回り遊んでくるからか、家はもっぱら休息と食事の場だったようで、2匹の猫たちから遊びに誘われた記憶はない。

翻って、今の我が家の子である。

生後2か月を迎えるより少し前あたりに保護してそのまま我が家の子になり、今は約2歳9か月。当然ながらずっと室内で生活している。

とにかく遊んで(または構って)欲しがる子だ。

ツンなのにデレタイプ。抱っこは嫌い、膝にも乗らない。でも甘えたい。けれども甘え方がわからない。遊んでほしいのに、どうやって誘えばいいかわからない。そんな不器用な子。

視線を感じてふと見ると、じーっとこちらを見ている。見ることしかしない。ああ、不器用。いじらしい。

仔猫期を一匹で過ごしてきた為か、コミュニケーションがとても下手に育ってしまったようだ。

実家にいた猫たちとは全く違う控えめな要求の訴え方に、なんとか応えてあげたいと思う。思ってしまう。

そのため、やりたいことがあっても後回しにすること数知れず。じゃらし遊びはもとより、ナデナデやお尻トントンをせがまれ、1時間近く続ける羽目にもなる。寝ている姿を見るや、可愛すぎて写真に収めたくなるし、延々眺めていられる。

結果、家にいる時間の7割ほどは猫に費やしていると言っても過言ではない(睡眠時間を除く)。猫がこんなにも遊んで欲しがる、構って欲しがるものだと初めて知った。

小さく愛らしいこの子が我が家に来てからというもの、猫ファーストな日々なのだ。

@ark129
思考の言語化、日記、記録