1. 走馬灯のセトリは考えておいて
「ベッドに繫がれるチューブの数は、まるでキエラに伸ばされる縁の糸に見えた。」
短編集。タイトルはその中の1エピソード。上記のような比喩表現が素敵だなと思った。vがより一般的に受け入れられたらこういう世界もあるのかもしれない
2. 民俗学入門
「歴史を学ぶということは、年代や事件や人名をたくさん覚え込むことではありません。いま私たちの生きている世界が、どのようにしてこんにちのような姿になってきたのかを、身近なところから考えてみることなのです。」
歴史というと世界情勢を俯瞰して見るものが一般的だが1つの側面からみてみると新たな発見がある。そうすると今世界が置かれている状況も少なからず違ったものに見えてくる。学校で習ってきた歴史も違った見方ができて面白かった
3. [映]アムリタ
「人の心を動かせるというのなら、人を別人にすることもできるんじゃないかと。」
[映]も含めてタイトル。ラノベのように読みやすい文章で最原最早(西尾維新作品に出てきそうな名前だな)という天才のぶっ飛んだ思考を垣間見ることができる。最後までどういうオチになるか読めなかった。
ちなみに牧野由依のアムリタもよい
4. ヴァンパイアサマータイム
「特別な人間でない私は特別な人のことなど書けないので、これでよかったのだと思う。」
昔から吸血鬼という属性に憧れていた。そのラブコメというのだからずっと気になっていた。決して難しい言葉を使っているわけではないのに高校生特有の空気感がうまく表現されており、青春を追体験しているかのようだった