鍋こ団子(なべこだんご)とは、おいしいお汁粉のことだ。お団子はひらべったい円形をしており、真ん中がへこんでいる。ちょうどヘモグロビンのような形だ。
祖母宅に御用聞きに行く前に、「何か必要なものある?」と電話をする。今朝は私が電話をし、これから行くよ~と予告をしたところ、鍋こ団子でもてなしてもらった。祖母はめっきり他人のための料理をしたがらなくなっているが、たまにこうして腕をふるってくれる。愛だなあと思う。
昼時についた我々は、昼食用におにぎりとサラダを買っていた。なのでそちらから食べようとパッケージをあけていると、祖母がしきりに話しかけてくる。
「なべこだんごがある」「うん」「おにぎりを先に食うのか?」「うん」「なべこだんごは作りたてだ。まだ温かい」「うん……」「なべこだんごは、お腹が空いている時に食べるのが一番おいしい」「……うんw うんw」
思わず単芝を生やしてしまうほどの遠回りな強制に根負けし、なべこだんごを食べてからおにぎりともずくサラダを食べた。道の駅で買ったおにぎりもコンビニのそれの倍以上の体積があったので、炭水化物で腹がはち切れそうになった。その後母親が仏前に供えて即回収したイチゴをみんなで食べ、祖母のために買ったおやつ・がんづきも一切れ割り当てられ、頭がぼうっとしてきた。
その後母親の運転で帰宅したのだが、二人ともラジオを聴きながら頓珍漢なことをしゃべっていたり、私もうとうとしていたりして、二人とも睡魔と必死で戦う羽目になった。どうしてこんなに眠いんだろうかと思ったが、鍋こ団子+デッカデッカおにぎり+がんづきで炭水化物ドカ食い気絶部と同じことをしているからだ。みんなは長距離運転が待っている身でこのような無茶な昼飯にしないほうがいい。
↑このサイト、地方の名物料理と言えばハレの日の料理多めに紹介されがちなのに、ケの料理(日常的に食べる家庭料理)もちゃんと取り上げていていい資料だと思う。みんなも出身地や現在住んでいる都道府県のそれを検索してみて、スーパーのお総菜コーナーやおやつコーナーで地方色ある食べ物の解像度をあげてみよう! 私は今日イオンと道の駅にそれぞれ行ったら、どちらも品物が地方色豊かで見ていて楽しかった。一度地元を出てから戻ってきた身なので、見聞きするものが何でも珍しいターンがずっと続いている。