よく夢を見る方だし、起きてもその内容を憶えている方だ。母親もそうだと言うし、母方の祖母も同じだと言う。母方の祖母の妹は以前も触れた通り「見える人」なので、いろいろ予知夢を見ると言うからまあそういう血も入ってるのかもな~とふわっと理解している。ちなみに私が今までに見た唯一の予知夢は「夢にセイン・カミュ氏が出てきて、起きたら彼が朝ドラの新キャストとして発表されていた」という一件のみである。予知能力と呼ぶにはあまりにも……だが、祖母の妹から私まで4親等、それほど離れてしまえばこの程度なのだろう。
さて、ここから夢の内容を述べる。他人の見た夢の話は退屈というのが通説なので、一応警告してみた。生え抜きの物書きオタクなので、何か地雷になりうるものを書く前には警告する癖がついてしまっているのだ。
こんな夢を見た。青い花ばかりが並んでいる店を友人と冷やかしている。友人が「青いガーベラかわいい、買う」というので一緒に列に並ぶ。ガーベラだけでなく青薔薇も陳列されているので、青薔薇もいいな……と思っていると、レジに辿り着く。どこかで他の行列と混ざっていたのか、カウンターには占い師が待ち受けていて友人だけを占った。私も占って欲しいなと思うと「続きは国際展示場で」と店じまいをした。ビッグサイトなら土地勘があるぞ、と友人と別れてりんかい線に乗る。途中で昔の友人と合流し、一緒にビッグサイトへ向かった。
占い師は壁サークルだった。友人と共に長い行列に耐えながらいざ、来し方行く末の男運について占ってもらうが、占い師の声が小さく、口の中でもごもご話すので断片的にしか聞こえない。かろうじて聞こえたのが「まあ、どうしようもないやつも居るしね。」と言い終わり、じっとこちらを見るので、ああ占いが終わったんだと理解する。とりあえず見料として二千円を渡すと次の客へ順番が移った。
「占い自体はよく聞こえなかったけど、なんか気が楽になったよ」「なんですかそれ」と言い合いながら改札を抜けようとすると、古い友人は改札を通ってこない。「来ないの?」「もういいんですここで」「そう。元気でね」「浅岸さんも。」と言い交わして別れた。起きてから、懐かしい友人に夢のなかででも会えてうれしかったなと思い、それから占い師の顔がものすごく大学時代の恩師に似ていたことに気づいて、「M先生、お元気そうで何より」と笑った。(恩師は齢80を間近に、いまだに毎年精力的に対談や単著を出し続けている)