ここはしずかだな。久しぶりに日記でも書こう。
突然だが、私はまだ二十代だ。だが、まあまあ三十の角が見えている。もう、すぐそこだ。恐ろしいことである。
ところで、私にとって二十代前半というのは、暗闇のような時代だった。地獄の底といってもいい。メンタルの調子は最悪、家族仲も最悪、自己肯定感はマイナス、いま生きているのが不思議なくらいだ。
朝から夜まで独り。誰とも話さず、誰とも関わらず、ただ前の日と変わらない一日を過ごして、また次の日も同じように、何にも感動せず過ごす毎日。
ところが、二十代の中盤に、さまざまな変化が起きた。およそ多くの他者とは違うであろう形で人との出会いや交流を経験し、さまざまな感情を獲得し、自分が思っていたより複雑な人間であると知った。そして、思っていたよりも自分は乾燥していない人間だと知った。まあ、なんというか、自分も人に対してこんな感情を持ちうるのだなという感じだった。名前の付けられない、知らない感情だった。
だが、やはり、二十代前半を棒に振ったという実感は大きい。いまでも、二十代前半というのは普通、人と遊んだり恋人と出かけたり、いろいろな経験を積んだり、学びを得たりする時間だと思っている。そういうことを普通にしている人は羨ましい。自分もそうだったらよかったと思っている。いや、思っていた、のだが、最近またその思いが再燃してきている。なぜかは不明だ。コンプレックスだのなんだのと名前を付けることは出来るだろうが、そんなことをしても過去は変えられないというのが実情。
あのころはよかったというのもない。相対的に今はそこそこ良いほうであるということになる。前向きに考えれば、そうだ。二十代前半を棒に振ったりしたからこそ二十代中盤での出会いがあった、と考えることも出来る。これはそうだな、最近観た映画の「夜明けのすべて」でそんなことが言われていたか。禍福は糾える縄の如し――といえなくもない、と思うほかない。確かに、あの出会いは自分を変えた。かけがえのないものだった。人を思うということは碌に経験がないが、あれはそういうものだったかもしれない。
ブログというか自分が語りになってしまった。単純に体調が悪いだけだろうか。まあ、要注意ではある。