紫色の空から白い雪がはらはらと、ふわふわと、しゅわしゅわと、降り続いていた。
駅から出るはずのバスは、雪のせいか遅れて、まだバス停にやって来てさえいなかった。駅前のバス停には、知らない人のうたう、65点のGReeeeNが聞こえてきていた。
私は、終わったばかりのお話会(有り体にいってカウンセリング)のことや、日中にしたウミガメのスープのことを思い出していた。ウミガメのスープの問題を作って解いてもらったら楽しいだろうと思いつつ、しかし一方で、俳句を考えてもいた。
雪が白い。息も白い。はっきりと冬だな、と思う。でも、春になったらまた環境の変化があるな、と、漠然とした不安のようなものも、胸のうちにはある。
この前、人格のテストをして結果を見たら、根元的な恐怖の欄に「喪失、分断、分離」とあった。当たっている。
この世には、変わることと変わらないことがある。
春には、さみしい別れの思い出がある。その別れも人生を進むために必要なことではあったけど――そんなことを繰り返して、人生は進んでいくのだろうか。
私はやっと来たバスに乗って、ぼんやりと、何が変わらないものなのだろうと考え始めた。