不適切にもほどがある 第4回

asanohikari
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 今週も面白く見た。しかし性的マイノリティ当事者の方が強い不快感を表明していたのを見かけて考えてしまった。「問題が表面的かつ単純化されており、差別したい人にこのドラマが利用され、LGBTQの後退に繋がるのでは」と感じているようだった。

 クドカン自身が何年もかけて価値観が変わってきていて、自分の昔の作品についても「今ならあの表現はしない」と語っているのを以前どこかで見かけたように思う。これまでの事件やスキャンダルなど見ても、彼が仕事をする業界はマッチョで無自覚に差別的な人がそこそこいそうだ。その人達に企画を通し、ドラマとして世に放つ。世の中を茶化しているテイを取りつつ、案外真剣に最も理解のない層に届きやすい表現にしているのでは。多少の炎上は覚悟して、それを機に世間が考えることも込みでのエンターテイメント。「わがるやつだけわがればいい」そんな作りにしてある気がするんだけどな。クドカン自身はアンチコンプラではないと思うよ。

 とはいえ「金曜日のドラマだもん、そんな難しく考えないでまずは笑ってくださいよ」というところもあるでしょう。そこで「笑えない」「毎週踏みつけられる者の気持ち」と言われるとうーんそうなのかなと思うし、どこにそういう表現があるか考えながら見ようとは思うけど、たぶん来週も笑わせてもらいます。ただ最終的にはバカバカしいだけではない展開になると信じています。